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「謎めいた相続人」長崎さゆり先生感想。

ロマンス

今回紹介するのは長崎さゆり先生の「謎めいた相続人」(原作:ジュリー・コーエン)です。

個人的オススメ度:★★★★☆(4.0)

ハーレクインはラブロマンスですが、この作品のようにトラウマを抱えるキャラクターがそれを超えていくプロセスが描かれている作品も多いですね。
それもまたハーレの魅力の一つだと思います。

ここであらすじです。↓

大好きな大伯母が亡くなり、遺産管理をまかされたゾーイ。彼女が、大伯母の高級アパートメントを訪れると、廊下で父親を捜しているという男性に声をかけられた。彼、ニコラスの話では、この部屋から彼の父親が最後の手紙を出したのだと言う…。いくら彼がハンサムで澄んだ瞳をしていても、見ず知らずの男性を簡単に信用しちゃいけないわ! ゾーイがニコラスを追い払おうとすると、彼は追いかけてきて、耳を疑うような言葉を吐いた。「君は父の恋人なのか?」

あらすじだけでもちょっと込み入った話なのかな、という印象がありますね。

実際のお話も、ヒロインの幼少時代からのコンプレックスやヒーローの父親の話。
さらには謎の多かった大伯母の過去など、いろいろな要素が複雑に絡み合いながら展開していきます。

ヒロインは幼少期から両親に従順な美人姉妹に囲まれ、自分の奔放な個性を理解されないことから家を飛び出し、独立して暮らしています。
変わり者だった大伯母とは気が合ったヒロインは、亡くなった大伯母の遺産を相続することになり、失踪した父の手掛かりを探して訪れたヒーローと出会います。
それぞれに傷を抱えながら生きている二人は、そのうち惹かれあうようになります。

ネタバレになりますが、謎の多かった大伯母はミステリー小説の大家で、ヒロインは莫大な遺産を相続することに。
それを知った父親が財産の管理をすると言い出したことで、ヒロインは家族の知らないところで成功を収めている自分を大伯母の葬儀で周囲に知らしめることになります。
ただ、収めた成功も自分とはかけ離れた虚像であり、それでも自分は成功したんだということを誇示したいがために、周囲の引いた虚像のレールを走ることを決める…。

それを引き留めたのは、本当のヒロインの姿をありのままに愛するヒーロー
そして、ヒロインのしたことの後始末をつけたのは、ヒロインの父親でした。
遺産の管理を申し出たのも、純粋にヒロインには荷が重いのではないかという気持ちだったんですね。

うまく伝わらなかったかもしれないけど、ヒロインもヒーローも愛されていなかったわけではない。
それを知っていく過程が繊細に描かれていて、圧巻の展開ですね。

お話を読み進めていき絡んだ糸が少しずつほどけていくように、ヒロインやヒーローも自分たちの幸せを選び取る力を得ていく。
そういう意味では、このお話はもちろんラブロマンスなわけですが、ヒーロー、ヒロインの成長物語なのかもしれませんね。
ハーレはいろいろなアプローチで心を癒してくれるなあと思います。

長崎さゆり先生の絵って独特な雰囲気があるんですよね。
デビューが「YOUNG YOU」誌ということで、女性誌で活躍されてきた先生だからなのかもです。

少年漫画や少女漫画に慣れていたので、実は最初長崎さゆり先生の絵柄などに違和感が少しあったんですけど。
今ではすっかりトリコで新作チェックは欠かせません。

評価は4.0としていますが、4.5でもよかったかな。
長崎先生の傑作だと思います。
ぜひ読んでみていただきたい作品です。

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