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「思い出に愛を結んで」佐伯かよの先生感想。

ロマンス

今回は佐伯かよの先生の「思い出に愛を結んで」(原作:リー・ウィルキンソン)を紹介します。

個人的オススメ度:★★★★☆(4.0)

佐伯かよの先生は昔書店バイトしていたころ緋の稜線 (1) (秋田文庫)が文庫化されていて、昔から活躍されている漫画家さんだと知っていました。

長いお話は挑戦しづらいなと思っていたので、今回1冊完結のハーレで出会えてよかったです。

あらすじはこちらです。↓

弟の就職には「夫婦者」が条件だった。キャシーは愛する弟のために新妻役をひき受け、スコットランドに向かった。その旅の途中、キャシーはロスという男性と知りあい、まるでお互い運命の相手とめぐりあったかのように惹かれあい、ベッドをともにしてしまう。しかし、翌朝目覚めたとき、ロスはすでに発っていた。――再会は最悪だった。なんと、彼は弟が働くホテルのオーナーだったのだ! 嘘つきで身持ちの悪い女…ロスは軽蔑と憎しみの眼差しでキャシーを睨んだ!!

ヒロインは自責の念を覚えながらも弟のために真実を明かせない。
ヒーローはヒロインに惹かれながらも既婚者なのに自分と深い仲になったヒロインに軽蔑と憎しみを覚える…。

お話はキャラクターの慎み深さが感じられる展開で、わたしは好きです
(出会ってすぐに深い仲になったのは二人がお互いに運命を感じたからと解釈しています)。

そもそも弟のために嘘をつき住居まで変えて仕事するってなかなかできないですよね。
それだけヒロインの弟に対する愛情が深いことがよく伝わってきます。

お話のなかの話と言われればそれまでですが。
佐伯かよの先生の作品から漂う品性が慎み深いヒロインが実在するかのような説得力を持たせている気がします。

ネタバレかもですが、ヒロインが嘘をついていることがわかりハッピーエンドに至るまでの道筋がまた素敵で。

あのような展開になるにはヒーローの真実を告げてくれるだろうというヒロインへの信頼が根底にあると思います。
ヒロインがそれに応える品性を備えていることも素晴らしいと思います。

評価は4.0。
作風が古いと感じる向きもあるかもですが、わたしにはそれがたまらなく魅力的でした。
興味が湧かれたかたはご一読をオススメします。

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