「イタリア大富豪と日陰の妹」さちみりほ先生感想。

今回はさちみりほ先生の「イタリア大富豪と日陰の妹」（原作：レベッカ・ウインターズ）を紹介します。

個人的オススメ度：★★★★★（５．０）

あらすじはこちらです。↓↓

幼い頃から華やかで愛嬌のある双子の姉デーアにコンプレックスを抱いていたアレッサンドラ。学生時代には将来を約束した恋人が姉にあっさり心変わりし、以来、彼女はひたすら地味に真面目に勉学に励んできた。そんなある日、理想の王子様を絵に描いたような男性リニに、実家の玄関で声をかけられ、一瞬で心を奪われる。ところが、ほどなく姉の方が先に彼と出会っていたことがわかり、アレッサンドラの淡い恋はもろくも砕け散ったかに思えた…が、リニが選んだのは!?

さちみりほ先生のお話はこのブログでも何度も紹介しています。
（こちらをご参照ください。）

このお話は双子のお話で、ヒロインは双子の姉にコンプレックスを抱いているいわゆる『みそっかす側』なんですね。
双子ものだと同じさちみりほ先生の『身代わりの侯爵夫人』のように、清純なヒロインが奔放だったり問題のある姉妹に振り回されるお話が多い気がするので、新鮮な設定でした。

ヒロインは過去の苦い経験から自分の魅力を信じておらず、ヒーローに惹かれつつもヒーローは先に出会った姉を選ぶのだろうと心を閉じている部分が痛々しいです。
そして、その辛い経験からヒロインは自分が選ばれたことから姉の痛みを強く感じてしまうわけですね。
ヒロインの姉も華やかで人目を惹くだけではなくとても魅力的に描かれていて、姉妹がお互いを思いあう気持ちが美しくて読後感がとてもよかったです。

また、ヒーローもとても真摯で素敵な男性。
ネタバレですが、彼もまた一人で抱えているものがあります。
それでもヒロインとなら幸せな未来を描けるのではないかと感じさせてくれる素敵な二人でした。

評価は文句なしの５．０。
ですが、個人的には今作のヒロインの姉がハッピーになるお話が読みたいですね。
ヒロインもとてもかわいいですが、個人的にはヒロイン姉の気高くも脆い心を包み込んでくれるような素敵な男性とのロマンスをぜひ読みたいです。

ちなみに、こちらの作品は「モンタナーリ家の結婚」シリーズ作品として別に「イタリア大富豪と小さな命」という作品がありまして。
ヒーローはこちらでもいい男っぷりを発揮しています。
興味があるかたはぜひチェックしていただきたいです。