「メイドという名の愛人」津谷さとみ先生感想。

今回は津谷さとみ先生の「メイドという名の愛人」（原作：キム・ローレンス）を紹介します。

個人的オススメ度：★★★★☆（４．０）

ハーレ好きのくせに愛人って響きが嫌いなわたし。
囲われても平気な依存体質の女性が嫌なのです。

このお話はタイトルから内容が不安でしたが、読んでみたらいい意味で裏切られた作品です。

あらすじはこちらです。↓

ゾーイは亡き姉夫婦の双子をひき取り、新しい雇い主であるイサンドロの屋敷で管理人の仕事をすることに。子供たちが一人前になるまでは頑張らなくてはと、心に誓うゾーイ。だが、イサンドロとの初対面で、なんとクビを言いわたされた。ゾーイは村人と彼の留守中に屋敷の庭でチャリティーパーティーを開き、それを彼に見つかってしまったのだ。「子供たちを守るためなら、どんなことでもします。」と言う私に、彼は「性的な奉仕をするということか？」と返してきて!!

メイドも愛人もちょっといやらしい響きですが、実際は屋敷の管理人でメイドじゃないし、愛人という関係性にもならないお話でした。
むしろヒロインはとても清潔で、亡くなった姉夫婦の子ども達を引き取り育てようと頑張っている健気な女性で好感が持てます。

ただ、ヒロインが体質的にお酒を受け付けずアルコールが入ると奔放になるところがだらしないと思う人もいるかもしれませんね。
わたしは素面のときとのギャップが可愛いなと微笑ましく読んだのですが。

ヒーローも最初はお金持ちの冷血漢と思いきや、実際は不器用なだけで優しい人。
チャリティー目的とは言え主人に黙って屋敷を使ってパーティーなんて、本当に首にされても文句言えないですよね。
ヒーローのイメージアップにつながったとは言え、それはダメでしょ、と感じる方もいると思います。

また、ヒーローはヒロインに惹かれるも仕事上の関係にある人間と関係を持たない主義というのも清潔で好きです。
あらすじだけ見ると傲慢な印象ですが、実際に性的な奉仕を求めるようなヒーローとは対極です。

あと、津谷先生の絵柄はファンタジックですね。
わたしは初見では好きではなかったのですが、読み進めていくうちにほんわかした絵柄とお話のほっこり感とがマッチしていて好きになりました。

タイトル買いの逆で、タイトルだけ読むと敬遠しちゃいそうなお話でしたが、読んでみて心があたたまるいいお話でした。
おすすめ度は４．０。
津谷先生の作品を読んだことがない方は、ぜひご一読いただきたいと思います。