今回は長崎さゆり先生の「せつない誘惑」(原作:アン・メイザー)を紹介します。
個人的オススメ度:★★★★☆(4.0)
長崎さゆり先生は「謎めいた相続人」を紹介しましたが、このお話も独特の色気が満載です。
あらすじはこちらです。↓
オリビアは有名女優のダイアンから、伝記を書いてほしいと依頼を受けた。伝記作家としては一生に1度の大チャンスだが、簡単には受けられない理由があった。ダイアンは5年前、オリビアから夫のリチャードを奪いとった張本人なのだ。今になってなぜ私を指名するの!? 当惑しつつも仕事に向かったオリビアは、ダイアンの新しい恋人でホテル経営者の大富豪ジョーと出会う。ひと目で彼に惹かれてしまったオリビアだが、彼から思いがけぬ蔑みの言葉を投げつけられて…。
このお話はヒロインの恋愛要素もありますが、ヒロインの元夫リチャードの今の妻、ダイアンとヒロインの物語の比重がけっこうあります。
なので、純粋に恋愛のお話が好きな方には不満が残るかもしれません。
でも、わたし自身は読んでいてもダイアンがとても魅力的な女性だったこともあり、楽しく読めました。
ちょっとネタバレになりますが。
元夫がいながらも大富豪ジョーとも関係があることから、ヒロインはダイアンを男なら誰でも手にしたい女と揶揄しますが、
たったひとりでもわたしを愛してくれれば、というダイアン。
リチャードを奪ったのは、それを勝ち得たかったからだと言います。
夫を奪った女性であるダイアンに複雑な感情を持ちながら、それでもなお薫り立つような彼女の魅力…。
ヒロインは元夫が去るときにただ彼を信じると何もしなかったことを振り返り、自分が被害者だけだったわけではないと思い直すことになります。
こういう流れがとっても好きです。
どんなことも人のせいだと思って生きるより自分にも責任があると凛として生きる人の方が魅力的ですしね。
ヒロインとダイアンはときには激しく、ときには静かに衝突します。
それぞれに違う魅力の持ち主でどちらにも共感できる部分があり、読んでいてとても面白かったです。
肝心のヒーローとのロマンスですが。
ダイアンの今の浮気相手であるヒーローに対し、特別な相手…しかもそれは魅力的溢れるダイアンがいるからと気持ちを抑えようとするヒロインと、思わせぶりな態度を取るヒーロー。
二人の恋がどうなっていくかはぜひお読みいただければと思います(まあハッピーエンドと決まっているので安心して読めますしね)。
そんなわけで恋愛要素の比重が若干少なめなお話かも。
ですが、長崎さゆり先生のお話らしくとっても雰囲気のあるお話です。
ぜひご一読いただきたいお話です。
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