「異国で見つけた恋１　スルタンの花嫁」田中琳先生感想。

今回は田中琳先生「異国で見つけた恋１　スルタンの花嫁」（原作：ジェイン・ポーター）を紹介します。

個人的オススメ度：★★★★☆（３．５）

今回のお話はハーレらしい現実離れした設定のお話です。
普段の生活を忘れさせてくれるような、こういうお話も読みたくなるんですよねえ。

あらすじはこちらです。↓

薔薇の花びらが舞い散るなか、砂漠の王は厳かに現れた。ニコレットは息を呑んだ。彫りの深い顔、輝く民族衣装をまとった長身。なんて魅力的な人なの！「千の夢の国へようこそ、シャンタル王女よ」低く甘い声が呼んだ名が、ニコレットを現実にひき戻した。そうよ、私は今シャンタルお姉様になりすましてここに来ている。彼が結婚相手に選んだお姉様の姿で虜にして利用するの、あの計画を実行するために!!　ああ、でも彼みたいな人を操るなんて、私にできるのかしら!?

ヒロインは多額の負債を抱えるデュカス国の第二王女であり、気の強いプレイガール。

王女として愛より国益を考えて結婚することを承知している主人公。
しかし、姉が不幸な結婚を夫の死により終えたことで姪が姉の婚家であったラクロワ国に幽閉されていることに憤り、彼女を救い出したいと思っています。

そんな中、また姉に強国バラカから縁談が舞い込みます。
一度不幸な結婚をしている姉にもう一度悲しい思いをさせたくないと、ヒロインは替え玉としてバラカに乗り込み、王を虜にして姪を救出させようと企てます。

ところがバラカ国の王はとても魅力的で、誘惑どころか自分がその魅力にとらわれてしまうという展開に…。

絵は綺麗で華やかなのですが、ちょっと演出過剰気味なのが気になりますね。
表現がくどくて、ハーレというよりいわゆるTL（※）みたいです。
（※TL…性的描写を含む少女向け漫画。Teen’s　Loveの略）
TL自体は好きな人もいるのだろうしそれはそれでいいとは思うのですが、ハーレとは相容れない印象があります。

ただ、ヒロインが葛藤を抱えながらもヒーローに惹かれていくところとか、どう見てもヒーローもヒロインにメロメロなのに気が付かないところとか、微笑ましく読めて面白かったです。
また、ヒロインがプレイガールという珍しい設定ですが、良くも悪くも全くそれを感じさせないです。

ハーレらしく恋愛要素が強めのお話。
話の展開もドラマチックで、王族モノで現実離れしているので、シークものが好きな方にはいいかもしれません。

このお話は『異国で見つけた恋』シリーズの１作目で、他に姉、妹のお話があります。
興味が湧いた方はセットで読んでみるのもアリだと思います。

「異国で見つけた恋１　スルタンの花嫁」