今回は藤田和子先生の「暴君の甘い罰」(原作:ペニー・ジョーダン)を紹介します。
個人的オススメ度:★★★★☆(3.5)
あらすじはこちらです。↓↓
両親を亡くし住む家を失ったサラ。病弱な幼い弟を抱え途方にくれていたところを疎遠だった祖母は温かく迎え入れてくれた。彼女のためならなんでもできるわ…たとえ大富豪ルークとの愛のない結婚でも。彼は亡き妻の肉親であるサラの祖母を安心させるため、サラと結婚することを選んだ。彼女を財産目当てのはしたない女だと蔑みながら。ルークは私に、妻という罰を与えるつもりなんだわ。サラは結婚を受け入れた。彼にいつか愛されることを願いながら――…。
藤田和子先生の新作が出ていたので読んでみました。
前に「億万長者の調教術/恋人はツリーとともに」を紹介しただけで、藤田和子先生の感想は書いてなかったんですね。
藤田和子先生の漫画はやっぱり絵が華やかなところが一番の魅力ですね。
お話の展開も安定感があり、ヒーロー、ヒロインともに心情描写もしっかりされています。
ここからネタバレになりますが、ヒロインは両親が亡くなり、父から絶縁したと聞いていた自分を産んですぐに亡くなった生母の実家(祖母)を頼ることになります。
ヒロインは申し訳なく思いながらも、義母の連れ子である義妹が強く勧めたことと、何より体の弱い弟を守らなければいけないという気持ちから、義妹の提案に乗ります。
恵まれた容姿で女優という夢を追うことを許された義妹と違い、ヒロインは家を守るために外で働いたこともなかったためです。
義妹は祖母を頼るために自分で提案して連絡もなく押し掛けたことをヒロインが世間知らずだからしたことと言い、自分をよく見せようとする計算高い女性。
ヒーローが大富豪であることを知るや、ヒロインを悪く言いヒーローをパトロンにしようとすり寄ります。
ヒーローは過去にヒロインの従姉妹と不幸な結婚をしており、そのため女性不信になっています。
人間不信になっていたヒーローの心を救ったのはヒロインの祖母。
祖母がずっとヒロインにカードやプレゼントを贈っていたことを知るヒーローは、ヒロインを詰ります。
ヒロイン父が祖母からの連絡をすべて絶っていたことを、このときヒロインは初めて知ることになります…。
とまあ、ヒーローがヒロインを誤解するポイントがいっぱいあるんですよね。
さらに、ヒロイン祖母が体調を崩したことを相談しにとは言え夜に誤解されるようなことをヒロインがやらかすので、ヒーローもある意味気の毒かなとも思います。
キャラクターがそれぞれ立っていて魅力があり、ヒーロー、ヒロインだけでなく、ヒロイン祖母もいい感じ。
弟も素直で可愛いし、義妹もしっかり悪女役を務めていていいスパイスになっています。
弟や祖母に対する家族愛的な要素も絡めつつ、軸になる恋愛が華やかに描かれていて、お話もスムーズに進みますし、欠点らしい欠点のないお話です。
藤田和子先生はハーレの人気作家さんで、すごく展開も上手ですし絵も美しいし、キャラの心情描写もしっかりされていて読後感もいいお話が多いです。
忠実にハッピーエンドラブロマンスに軸足を置いていて、それ以外の家族愛みたいな要素が少ない印象があるんですよね。
ただ、わたしのなかではハーレを読む動機って実は『ラブロマンス』より『ハッピーエンド』のほうに重心があるので、ロマンスだけの話って飽きちゃうんですよねえ…。
ということで、たぶん読み返さないだろうなということで評価が3.5。
藤田先生&ファンの方すみません…。
偏屈なわたしの率直な感想がこうなだけで、ハッピーエンドラブロマンスとしては完璧だと思います。
ハッピーエンドラブロマンスが好きという方には文句なくオススメできる作品なので、王道ラブロマンスが好きな方はぜひ読んでみてくださいね。
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