「理想の契約結婚」秋乃ななみ先生感想。

今回紹介するのは秋乃ななみ先生の「理想の契約結婚」（原作：マクシーン・サリバン）です。

個人的オススメ度：★★★★☆（４．０）

ハーレでは億万長者がゴロゴロ出てきますが、相続がらみの契約結婚のお話も多いです。
このお話も相続のためにヒーローが契約結婚を持ち掛けるお話です。

あらすじはこちらです。↓

ブラボー!! 花嫁を見つけたぞ！大企業のＣＥＯアレックスは、美貌の女性オリヴィアを一心に見つめていた。半年以内に結婚しなければ会社を売却すると父親に脅されている彼に、理想の花嫁候補が現れたのだ。一方、アレックスの視線にオリヴィアの心はざわめいた。なんてセクシーなの。でもダメよ。ああいう危険な男性の火遊びの相手なんてまっぴら。けれど食事に誘われ警戒しながらも仕方なく出かけると、ディナーの席で突然彼が切り出した。「僕と結婚しないか？」と。

このお話でまず好きなところは、職業人としてちゃんと自ら立っていて、私生活では母を支えているヒロインですね。
ラブロマンスなのでヒーローが魅力的なのは必須条件としても、ヒロインにもそれ相応の魅力がないと冷めてしまうんですよね。

ヒーローは当初父の事業を継ぐために契約結婚が必要だったわけですが、ヒロインに一目ぼれ。
ヒロインはハリウッド女優で人気がなくなっても生活にお金がかかる母の生活を維持するために契約結婚を受け入れます。

ネタバレになりますが、お話が進むにつれヒロインは辛い思いをすることになります。
このお話の一番好きなところは、ヒーローが傷ついたヒロインを支え、ご都合的な大団円ではなく現実的であたたかいラストを迎えるところですね。

ハーレの性質上ハッピーエンドが決まっているんですが。
力技で強引に問題が全部解決して奇跡のハッピーエンドって違うと思うんですよね。

現実はうまくいかないこともあるし変えられないこともあるけれど、その現実を受け止めたうえで、ちゃんと幸せになる。
その方が華やかではないけれど本物ではないでしょうか。

このお話はそういう意味では本当のハッピーエンドだと思うし、また何度でも読み返したくなるお話です。
評価は４．０。
１００点満点のハッピーエンドが好き！
みたいな方には向かないかもしれませんが、ぜひ一度読んでいただきたい作品です。