今回は岸田黎子先生の「億万長者に片想い」（原作：ジーナ・ウィルキンズ）を紹介します。
個人的オススメ度：★★★★☆（４．０）
ハーレによく出てくる便宜結婚ですが、今回は便宜結婚をきっかけに生まれたロマンスのお話です。
あらすじはこちらです。↓
ブライアン・ファルコンは有名人だ。美形の億万長者として常に世間を騒がせている。ところがグレースの双子の姉は、ブライアンの親友と恋に落ち、彼との婚約を破棄してしまった！「こんなゴシップがマスコミに知れたら…。姉さんを守りたくないのかい？」こうして億万長者の恋人役を演じる日々が始まった！
ヒロイン姉を守るため婚約者のふりをしている二人。
ヒロインは当初全くその気がなかったものの、ともに時間を過ごすに連れてヒーローに惹かれていきますが。
ヒロインと親密になろうとするヒーローとの距離を縮めようとはしません。
ヒーローが億万長者であるがゆえに発生する問題が多々あるものの、本当に問題となるのはヒロインが抱えていた出来のいい双子の姉と自分は違うという気持ち。
姉は大好きだけどわたしとは違う、ちゃんと自分を認めてほしいという気持ちだったわけです。
元々ヒロイン姉を便宜上とは言え生涯の伴侶にと選んでいたヒーローがそれをちゃんと満たせるかどうかがカギだったわけですね。
いろいろな要素が詰め込まれていてもすんなり読めるのは、ストーリー展開がスムーズだからだと思います。
また、お話に悪い人やあまり嫌な感情が出てこないのもポイント。
双子のお話ってドロドロものもけっこうありますが。
ヒロインはコンプレックスはあるものの双子の姉が大好きで、ヒロイン姉もヒロインがいてくれたから夢がかなったと思っている。
そんな姉妹の関係は素敵だなと思います。
はねっかえりでも根が優しくて自分の世界をしっかり持っているヒロインと、ヒーローにかみつくヒロインを受け流す大人の包容力を持っているヒーロー。
とてもお似合いな二人だと思います。
億万長者モノの傲慢さも双子モノのドロドロもなく、とても読後感のいいお話でした。
ぜひ読んでみていただきたいと思います。
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