今回は小林博美先生「悲しい約束」(原作:ダイアナ・パーマー)を紹介します。
個人的オススメ度:★★★★☆(4.0)
あらすじはこちらです。↓↓
酔った母親の運転する車に同乗し、事故に遭ってしまった看護師のデイナ。その事故で母は亡くなり、デイナの顔にも一生消えない傷が残ってしまう。デイナは、悲しみをまぎらわすため、一時的に失明した男性の自宅看護をひきうけることになる。だが、患者のギャノンは失明以来、傲慢で攻撃的な人間になっていた。「闇で閉ざされた彼の心に、光を取り戻したい!!」デイナの誠実で献身的な看護はギャノンに通じ、やがてふたりは、深く惹かれあうようになるが…。
小林博美先生は前にも作品を紹介しています(こちらをご覧ください)。
小林博美先生の漫画は何といっても絵が美しいので安心して読みすすめられるところがいいですね
(ハーレって残念ですが見せ場の一枚絵すらひどくバランス悪い絵の漫画家さんとかときどきいるんですよね…)。
ストーリーに引き込まれるというよりはお話自体はさらりと読める感じで、絵の美しさに惹かれて読む漫画家さんだったりします。
今回のお話は母を喪ったヒロインと事故で失明してしまったヒーローという、悲しみと傷を抱えた二人が惹かれあっていくというお話で。
ヒロインの母を守れなかったという後悔や父に望まれなかった子どもだという悲しみ。
ヒーローの急に光を失ったことへの戸惑いや苛立ち。
病状を理解してもらえない苦しみといった負の感情もとても丁寧に描いてありました。
ヒロインは若いのにとてもしっかりした女性で、扱いにくいヒーローをユーモアでかわしながらきっちり看護の仕事をしていて好感が持てます。
こういうお話を読むたびに24歳という年齢は個人宅で完璧な看護をできるほど経験を積めるものなのか、という疑問はわいてきますが、それはそれとして。
ヒーローが若干傲慢系ですが、失明して傷ついていることを考えても致し方ないかなと思います。
また、ヒーローの元婚約者なども出てきますが、ヒーローの気持ちがなびかないところなど、一途でいいと思います。
ネタバレになりますが、お話が進むにつれヒロインの父との関係が母によって歪められていたことがわかり父との絆を取り戻します。
とても優しい気持ちになれるお話だと思います。
ラブストーリーや家族の愛情ものとしては文句なしのハッピーエンド。
これから起こるかもしれない苦難も悲しみも乗り越えていけると感じさせてくれるお話でした。
ただ、将来起こりうるヒーローの健康不安もあり完全無欠のハッピーエンドではないかなと思います。
それも含めてこの作品の完成形なのですが、そのあたりは好みが分かれると思います。
わたしとしてはこういうお話も嫌いじゃないですが、その辺の影が読後感の癒され度を下げている印象はあります。
ということで、評価は絵の美しさを加点で星4とします。
小林博美先生の作品は他にもまだまだありますので、今度は大団円的なお話を紹介したいですね。
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